海外でのトラブル!真夜中の草原で裸のまま閉め出された。

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世界を旅していると何度も最悪の状況に陥ってしまうトラブルがある。

 

真夜中・・・

 

僕はオーストラリアの草原の真ん中で上半身裸で1人たたずんでいた。

 

季節はもうすでに夏が終わりを迎え、秋に一歩足を踏み入れる時期であった。

 

 

秋の夜中の気温はもはや冬である。

 

 

そんな中、僕はどうする事もできず1人真っ暗闇の草原の中に立っている。

 

 

 

なぜこのような状況になったのか説明しよう。

 

僕は旅する画家

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オーストラリアの旅に来た目的は

絵のスキルを上げるための修行・・・

 

そして絵を描いて生活できる方法を探すため。

 

 

旅は順調に進み、僕はオーストラリアのバイロンベイと言う

世界中からアーティスト達が集まる小さな海に囲まれた町に滞在していた。

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旅中に出会った人達からの依頼やライブペイントなどで

絵を描いて収入を得る事により、日本で普通に働くより稼げてしまったので

思いのほか簡単に『海外で絵を描いて生活する』と言う方法を発見してしまった。

 

 

お金も十分貯まる生活なので、僕はバイロンベイで車を購入し

毎日海の前に車を停めてのんびり絵を描く仕事をしていた。

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寝泊まりも僕の愛車でしており、シャワーや食事は無料で提供される場所があるので

そこを利用する事で全く出費がなく、何のストレスも不安もない生活を送っていたのだ。

 

 

車はかなり古い型であったが、

5万円と格安で友人に売ってもらい、日々車と過ごすと共に比例して愛着も湧いてきている。

 

 

言うなれば相棒のような存在であった。

 

今回のトラブルはその相棒と一緒にいた時に起きた事件である。

 

夢の生活をしながら絵を描く

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この日も朝からライブペイントで一日分の生活するお金を稼いでいた。

 

一日過ごせる収入があれば十分。

 

以前ブラジルからやってきた僕の友人のサウンドクリエイターをしている

リーフと言う青年からの依頼である、CDジャケットの絵を描きに

僕の相棒である車を走らせ、海の前に停めてビーチでラーメンを食べながら絵を描いていた。

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ちなみにこれがCDジャケットの依頼作品の途中の段階である。

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波の音が心地よい。

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こんな生活日本にいては絶対にできなかった。

 

ましてや絵で収入を得る事は日本ではかなり難しい事とされている。

 

今まで苦労してきて画家人生を歩んできたが、これまでの苦労が報われた生活に十分満足している。

 

 

 

 

キリがいい所までCDジャケットのデザインを描いたので車にもどり、海の前でジブリの名作

『海が聞こえる』を観ながらのんびり時間を過ごす事に・・・

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海の前で海が聞こえるを見ながらポテトとコーラをつまみ、ゆったりと流れる時間・・・

 

まさに夢の生活である。

 

事件は夜に起こった・・・

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映画を観ている途中でいつのまにか寝てしまっていたのか

気がつけば目の前には太陽が海の向こうに沈もうとしている。

 

今日はどこに車を停めて寝ようか?

 

別にこの場所でもいいのだが、お腹が空いたのでひとまず晩ご飯を食べに町の中心街へと戻る事に。

 

さきほども話したとおり、バイロンベイでは食費に一切お金がかからない。

 

その理由はこちらの記事に書いているので興味がある人は読んでおいて欲しい。

オーストラリアで4ヶ月の旅費0円で生活する方法

 

 

アーツファクトリーで晩ご飯を食べ終え時間も12時をまわる時間帯になっていたので、今夜の寝床を探す事にした。

 

寝床と言っても自分が好きな場所に車を停めて車の中で寝るだけである。

 

今夜は雲が1つもなく、満点の星空を観ながら寝りたかったので

バイロンベイの町から車で20分かかる広い草原地帯で寝る事にした。

 

草原には誰もいない。

 

いるとすれば野生のワラビーだけである。

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まわりには民家もなく、人なんてくるわけもない。

 

草原のすぐ横にある丘を登ると月明かりに照らされた海が見える。

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聞こえるのは波の音だけ・・・

 

今夜はこの場所で寝る事に。

 

僕は車で寝る時はTシャツを脱いで上半身裸で眠るようにしている。

 

昔からの癖で服を来ていると眠りが浅くなってしまうのだ。

 

とりあえず服を脱ぎ、お昼に観ていた海が聞こえるを途中で寝てしまった所から再生して

ビールとつまみを食べながら最後まで観てから眠りにつく事にした。

 

 

が・・・

 

 

気がついた時にはまた眠ってしまっていたようで

いつの間にか映画は最後のエンディングの場面まで進んでしまっている。

 

 

「また寝てしまった・・・」

 

 

そんな事をぼやきながら急にトイレに行きたくなったので

外にでて草原の真ん中で用を足す事に。

 

海が近いためか、今日はやけに風が強い。

 

 

 

時間も夜中の1時になりかけていたので少し肌寒く感じ、腕には鳥肌が立っている。

 

寒い寒いと言い、両腕をこすりながら海の側にあるシャワーで手を洗う事にしたが

風が強かったため少し体に水がかかってしまった。

 

車の中にバスタオルをおいていたので体を拭こうと車の方へ戻り、ドアに手をかけた・・・

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

開かない・・・

 

 

 

 

 

無意識の内に鍵を閉めてしまったんだな〜

 

っと思い、鍵でドアを開けようとした。

 

 

 

 

 

 

鍵がない・・・

 

 

 

 

 

その瞬間、血の気が引くのを感じた・・・

 

 

鍵を車の中においたままロックをかけてしまった。

 

車で生活していたので僕の荷物は全て車の中にある。

 

 

 

これはまずい状況になった。

 

とりあえず友人のリーフに電話して助けを呼ぼうとした。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

携帯も車の中だった。

 

 

 

 

 

僕は上半身裸のまま1人月明かりの下で海から吹く風に揺られながら

ただただ、ボーッと立っていた。

 

 

 

 

寒い・・・

 

 

 

 

海から吹く風と秋の気温が僕を苦しめる・・・

 

 

辺りは闇で囲まれており、そこから1m先が月明かりでかろうじて見えるだけ・・・

 

 

どうしようか考えたが、これは助けを呼ぶしかないと思い

この場所から一番近いリーフのシェアハウスに向う事にした。

 

普通に歩いても1時間はかかる。

 

暗闇の中を手探りで歩けば何時間かかるのだろう・・・

 

 

 

そんな事も言っていられないので、僕は暗闇の中を必死に歩き

1時間半後にようやくリーフのシェアハウスに到着した。

 

運良くまだ起きていたので家に入ると、リーフが驚いた顔で「どうしたの?」と言ってきた。

 

事の事情を説明するとリーフの車でその場所まで向かい、どうにかして開けてみようと言ってくれた。

 

あいつに乗っ取られた僕の車

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20分かけようやく到着し、僕の車へと向った。

 

ライトが無ければどこに車があるのからすら見る事ができない。

 

 

よくこんな暗闇の中を1時間半も歩いたものだ。

 

車につき、リーフが僕の車の中を照らす・・・

 

突然「あっ・・・」

 

とリーフが何か発見したかのように車の中を覗き込んでいる。

 

 

 

「どうしたの?」

 

と訪ねるとリーフは中を見てみろと言う・・・

 

 

 

 

 

リーフがライトで照らしている光の先を見ると、そこには地球上で一番最悪の奴がいた。

 

 

 

 

 

ゴキブリだ・・・

 

 

 

 

オーストラリアのゴキブリは日本のように俊敏に動く事はない。

 

むしろゆっくり歩き、体は強そうな甲殻で覆われ、黄色っぽい頭をしている。

 

カッコイイと言えばカッコイイが、やっぱり僕にとっては気持ちが悪かった。

 

僕の車の中をゆっくり歩きまわり、ドアが空かないため僕はそれを見ている事しかできなかった・・・

 

 

もう笑うしかない・・・

 

ここまできてしまえば何だか妙におもしろくなってきた。

 

 

僕はリーフとヘラヘラしながらリーフのシェアハウスに帰り

今夜はここに泊まりなと言ってくれたのでソファーで眠る事になった。

 

 

 

 

半笑いの僕を半笑いで優しく接してくれるリーフが、僕のために健康に良いオーガニックの晩ご飯を作って慰めてくれた。

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何ていい奴なんだ・・・

 

 

半笑いでありがとうと言い、1分でたいらげると半笑いのままリーフは自分の部屋へと帰っていった・・・

 

 

 

 

次の日、僕の車を開けてくれる救世主となる人物と出会う事になる。

 

運命とはよくできたものだ。

 

僕は旅をしていて何かトラブルに巻き込まれるたんびにそこに救世主が現れる事がよくある。

 

そんな人達のおかげで楽しい旅を続ける事ができているのだ。

 

 

その人との出会いは次の記事で書いていこうと思う。