ケアンズについて数週間が過ぎたが、いまだに英語を話す事ができなかった。
しかし英語が話せなくても話そうとする姿勢を見せれば、コミュニケーションをとってくれる外国人も増えていく。
一人でケアンズに来て初めは友人もできず、英語も話せないのでどう話しかけていいのかもわからなかったが、公園で絵を描いていると向こうから話しかけてきてくれて遊びにも誘ってくれるようになる。
そんな英語を話せない生活の中で学んだ外国人と仲良くなる一番の方法・・・
それは一緒にお酒を飲む事だ。
お酒を飲む事によって何を言っているのか理解できなくても、その場の雰囲気で仲良くなれる。
そして片言で「これから絵を描きながら旅をする」と説明すると僕のこれからの生活を見てみたいから連絡先を教えてくれと言われる事も多かった。
国籍関係なく人はこれから何か新しい事をしようとする人に興味を持ち、それが後に大きな繋がりになる事を後で知る事になる。
人と人との繋がりはいつか人生の財産になり、画家として活動していく上で大きな武器にもなりうるのだ。
僕が毎日公園で絵を描いている事を知っていたのか、公園まで僕を誘いにきてくれるまでの仲になった。
これもお酒を一緒に飲んだという仲間意識がそうさせているのかもしれない。
この日はバレーボールに誘ってくれて、その後はもちろんBARへ直行する。
そんな生活をしていると少しではあるが、英語を聞きとれるようになっていった。
外国人と飲みにいくだけで数多くの事を学ぶ事ができ、自分自身も少しずつ成長していく感覚を実感できる瞬間に何度も遭遇する事があった。
人はこうして成長していき、今まで出来なかった事ができるようになるにつれ自信もついていくのだ。
初めから怖がって何もしないのなら成長はありえない。
勇気をだして一歩前に進めば何事もできるようになるのだ。