サーファーズパラダイスに滞在して感じた絵の事と人の違い。

オーストラリアにはサーファーの楽園がある。

 

そこは奇麗なビーチと柔らかい砂、そして後ろを振り返ると超高層マンションが建っており、いかにも金持ちが住んでいる街並がビーチにそって遠くの方まで広がっている。

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場所はゴールドコーストにあるサーファーズパラダイス。

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まさにサーファーにとっての楽園である。

 

僕がここに来た理由はサーフィンをするためでも買い物をするためでもない。

 

 

日本に住んでいた時に絵の依頼を頂いた日本人女性が、この街に住んでいるので会いにきたのがその理由である。

 

 

その頃は絵の専門学校を卒業してグラフィックデザイナーとして働いたあと、そろそろ絵の仕事にシフトチェンジしようと考え絵の仕事をとるような事をし始めた頃だった。

 

 

ある日、大阪の堺浜と言う場所にある映画館で映画を2本見た後、隣に建っている祥福の湯と言う銭湯で岩盤浴で体の疲れを癒した後、銭湯にある居酒屋でお酒を飲んでいた。

 

休日と言う事もあり、僕はテレビを見ながらテーブルに座り、ビールを5杯ほど飲んでベロベロに酔っぱらっていた。

 

 

 

 

すると突然僕の携帯電話が鳴った。

 

知らない番号、しかも見た事もない数字が並んでいたので少し怪しんでしまった。

 

 

 

 

電話をとると女性の声が聞こえる。

 

それがサーファーズパラダイスに住む僕のクライアントさんのAIRIさんだった。

 

 

AIRIさんとは以前からアメブロでコメントをし合う中であったが、まさか突然電話がかかってくるとは思ってもいなかった。

 

 

僕は焦って「すいません今ベロベロなんです」と言ってしまった。

 

そんなこんなで話が進み、AIRIさんの飼っているペットの空ちゃん陸ちゃんを僕の世界に描いて欲しいとの依頼であった。

 

 

空ちゃん陸ちゃんはオーストラリアに生息しているレインボーロリキートと言う鳥である。

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AIRIさんから空ちゃん陸ちゃんの写真や動画を見て一度頭の中に叩き込み、それを再び頭の中で3D画像のように様々な格好や角度にして、僕の世界に合うアングルまで持っていき、良い角度で止めてそのままキャンパスに描いていく事にした。

 

 

出来上がりがこの作品ではあるが、ペットを似せると言う事はかなりハードルが高い。

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ペットの違いを一瞬で見抜けるのはその飼い主以外にいないからだ。

 

赤の他人の僕が似せようとしてもやはり全て同じに見えてしまう。

 

 

しかし僕はどうにか空ちゃん、陸ちゃんの特徴をつかみ、描き上げる事に成功した。

 

 

その絵はすでにAIRIさんに日本から送っていたので家に飾っているようだった。

 

 

 

 

 

 

話は戻るがそのAIRIさんがこのサーファーズパラダイスに住んでいる。

 

 

 

 

 

僕の原画はそれほど安くはないのだが、それでも原画を購入してくれたAIRIさんはどのマンションに住んでいるのか・・・

 

 

 

どこを見ても家賃が高そうなマンションしかない。

 

 

 

 

そう言えば宿もケアンズに比べるとかなり高めに設定されている事に気付いた。

 

 

後で知った事だが、ケアンズはオーストラリアの中でも比較的物価が安い場所であり、旅初心者の人はケアンズから始める方が良いかもしれない。

 

 

 

僕の泊まっている安宿からAIRIさんに連絡を入れると、今は仕事中で休憩時間に会いにきてくれると言う。

 

 

僕はそれまでビーチの前にある日陰で絵を描く事にした。

 

 

ケアンズで絵を描いていると話しかけてくれる人が多かったが、サーファーズパラダイスでは人は集まってくるものの話かけてはこない。

 

 

ケアンズは地元に住んでいる人が話かけてくる事が多かったが、サーファーズパラダイスはオーストラリアでも有名な観光地であるため、観光客が遠くから見ているだけのようだ。

 

話かけてきても一人か二人である。

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やり方にもよるがここで絵を描いていても効率が悪く、お金を稼ぐ事はできない。

 

また新しい知識を得た瞬間でもあった。

 

 

気にせず絵を描いていると後ろから僕の名前を呼ぶ声がした。

 

 

後ろを振り返るとそこには写真でしか見た事がなかったAIRIさんが立っている。

 

 

現実にいると分かっていても、写真と電話でしか話した事がない人が目の前に現れると何だか不思議な気持ちになる。

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愛理さんと少し話しをして、今度の休みにカジノに行く約束をして仕事に戻っていった。

 

 

もう少しサーファーズパラダイスでのんびりしてから次の街にいくのも悪くない。

 

 

僕は宿に戻り宿泊を3日延ばす事にした。

 

 

夕方になると奇麗な夕日で空は赤くそまり、街は観光客で溢れ帰っている。

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買い物に興味がある人ならこの街は楽しいと思うが、僕は荷物が増えるのが嫌で何も買う事はなかった。

 

 

レストランで食事を済ませた後コンビニでビールを買い、ビーチで飲む事に。

 

 

前回のオーストラリアの記事でも話したが、外でお酒を飲むのは違法とされている。

 

警察に見つかれば罰金を払わなければならない。

 

しかし僕はその事を知らなかった。

 

 

 

ビーチに向かう途中赤ちゃんが耳にピアスを付けているのを発見する。

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日本ではありえない事であり、もしもこんな事をすれば虐待をしていると言われても仕方のない事・・・

 

 

 

しかし僕はこの赤ちゃんを見ても虐待とは思わなかった。

 

 

 

人間は一人の人が「悪い事」と言ってしまえば、まわりの人もつられてそれほど「悪い事」と思っていなくても批判を浴びせるようになる。

 

オーストラリアでは赤ちゃんの耳にピアスは許されるがビーチでのお酒は禁止されている。

 

 

「良い事」「悪い事」と言うものは、本当に曖昧でそれが確実に正しい事ではないと言う事を感じた夜だった。