僕は飛行機に乗っている。
マルタで出会った友人に別れを告げ、次はトルコを目指していた。
トルコにはスタークォーズの撮影でも使われた世界的に有名な場所「カッパドキア」がある。
ここは違う惑星か?と思わせるような異様な光景が広がっている。
トルコへ来た目的は、そのカッパドキアでインスピレーションを感じ、絵を描く時にまた新たな表現方法ができるようになる事が目的である。
無事トルコの空港に到着したのが深夜1時。
僕は旅をする時は基本的に何も決めないようにしている。
その方が人に聞く癖がついて良い出会いが多いからだ。
しかしこの日は宿も予約していし、すでに深夜の1時だったので、夜中に宿を探すのも苦労するのでこのまま空港で野宿をする事にした。
空港の外にあるベンチにバックパックを置いて枕代わりにして寝ていたが盗まれてはいけないと思い、ひもを腕に巻き付けて寝る事にした。
中東はスリや強盗が多いイメージだったが、どこの国に行っても空港での野宿は比較的安全と言う事を今までの旅の経験から知っていたので少し安心して寝る事ができた。
外のベンチで爆睡してしまった僕は朝の8時に目覚めた。
そして今日の宿を探すため空港から一番近くて都会の有名な街、イスタンブールへ電車で向かう事にした。
電車に乗る時に文化の違いを感じた。
日本では電車のチケットは紙で出来ているがトルコはチケットではなくコインを使用している。
ホームに入る時のコインと出る時のコインだ。
ヨーロッパでは電車に乗るとき、ほとんどの国がチケットを使っているため、このコイン2枚だけで僕はとうとうカッパドキアに向かうのだ。と実感する事になった。
違う国に来た証拠を握りしめ野宿の疲れもあるため、すぐに電車に乗ってイスタンブールへと向かった。