これまで世界を43ヶ国以上めぐりながら僕の絵や商品化した物を数多販売してきた。
その中で未だに謎で未解決のクライアントさんがいる。
個展のために描いていたが・・・
世界を旅する前に個展用に描いていたこの作品。
この絵を当時Youtubeに制作過程を投稿していたのだが、その動画を観てわざわざ電話をかけてくれたのは名古屋で会社経営をしている社長さんだった。
どうしてもこの絵が欲しいと頼まれたが、僕は個展用に描いている絵だと言って初めは断っていた。
大金を払ってでもこの絵が欲しい
しかし、30分間ずっと売って欲しいと頼まれたので最後にこの値段で売れば高すぎるし諦めてくれるだろうという気持ちから、そこそこ僕でも高いと思う値段と個展をする時は一旦返却して欲しいという条件を伝えると、社長さんは何の躊躇もなく承諾してくれた。
僕もかなり驚いたし、何より僕の絵を大金を払ってまで欲しいと言ってくれる人がいるんだなと実感した瞬間だった。
突然消えてしまった社長さん・・・
後日、住所を聞いて名古屋駅で待ち合わせしてから自宅まで絵を直接持って行く事になった。
大きな一軒家に住んでいて20分ほど話して帰る事にした。
もちろん代金も頂いた。
それから1年ほど経ったある日、地元の展示会イベントに作品を出品する事になったので久しぶりに連絡をとって絵を一旦返却して頂いた。
その時に「展示会頑張ってね!」と言ってくれた、あの笑顔を今でも忘れる事ができない。
展示会イベントも無事終わり次の日に社長さんに連絡をするため電話したが、でなかったので折り返しの電話をしばらく待つ事にした。
しかし・・・
折り返しの電話どころか、何度かけても通じなくなってしまった。
それから約6年の月日が経ってしまったが、今だに連絡がとれないまま時間だけが過ぎてしまっている。
その間にIPhoneカバーなどで商品化する事にもなった。(現在は販売していない)
あの社長さんはどうしているんだろうか?
どうして連絡がとれなくなってしまったのか未だに謎のままだ。
しかし、いつでも渡せるよう、この絵だけは大切に保管してある。