僕は世界を旅する画家。
最初のヨーロッパの旅はボルトガルから始まり、その後スペインに滞在、そして数週間イタリアに滞在しながらイタリアの町中にあるアートや美術館で、新しいインスピレーションを頂いた。
そして僕は今日ローマからベルギーに飛ぶ事にする。
昔、オーストラリアから一時帰国した時に沖縄まで絵を描きにいった。
そこで仲良くなった友人に会いにいく事が今回の目的である。
彼の名はジュリアン。
剃りコミとパンチパーマで見た目は怖いが、かなり心の優しい性格で、穏やかな喋り口調で話をするさわやかな青年だ。
彼はフランス人だが、ベルギーで働いていると言うのでベルギーに遊びに行く事にしていた。
行きたい時に行きたい国に行く。
絵を描いていれば十分な収入も入り、食べたい時に食べて寝たい時に寝る。
時間に縛られない画家人生。
これが僕の生き方なのである。
今回はローマからベルギーまで飛行機で飛ぶ事になるのだが・・・
そこでトラブルに巻き込まれる。
巻き込まれると言うより自分でその状況をつくってしまった。
僕が悪いのだ。
朝からすでに最悪な状況を作ってしまっていた
ローマの宿で朝目が覚めた。
「飛行機が飛ぶ時間の3時間前に空港についていれば大丈夫だろう。」
僕はそんな考えを持っていた。
僕が旅をする時は基本的に何もプランを練らない。
泊まる所もその日に探す事にしている。
それには理由がある。
『分からなければ人に聞く』という癖がつくようになり、そうする事によって新しい出会いや思いも寄らない幸運が舞い込んでくる時があるからだ。
なので僕は旅をする時は何も決めずにすぐに行動に移すようにしているのだ。
しかし、そんな考えが今回のトラブルを生んでしまった。
宿の受付のお姉さんに空港まで何分かかるのか訪ねると彼女は言った。
「2時間かかる!今から行け!」
これは先きに調べておくべきであった。
次の電車に乗らなければフライト時間の予定時刻まで間に合わない。
荷物猛ダッシュで僕は駅に向かった。
どの電車にのればいいのか分からなかったので駅員さんに
『Ciampino Airport』へ行くにはどの電車に乗ればいいのか聞くと
「この電車!早くしないと出発するよ!」と教えてくれたので急いで電車に乗り込んだ。
かなり危ない所であったが、ギリギリ間に合う事ができたのだ。
しかし・・・
何やら胸騒ぎがする。
電車に揺られながらその胸騒ぎの原因を探していた。
車内の壁に張っている路線MAPを見て、今いる駅から電車が進んでいる道を確認すると・・・
そこに『Fiumicino airport』と記載されていた。
僕が向かっているのは『Ciampino Airport』である。
僕の乗るはずの飛行機と凄いスピードで離れていっている事に気がついた時はすでに時遅し。
どう考えても乗り遅れる。
その後、引き換えすのに1時間かかり、友人がベルギーで待っているので新しいチケットを予約する事となった。
旅にはトラブルはつきもの。
この経験から同じ失敗は2度としないと言う意識を持てたし、今こうしてあなたにお話できているので、結果的にこのミスはあって良かったのだと思えている。
ベルギーでビール三昧
それから2時間の午後9時にベルギーに到着した。
ヨーロッパの夏の夜は明るい。
日本とは全く違う太陽の光の動きが僕の感覚を狂わせてくる。
夜の9時になれば日本の夏ではかなり暗くなっているが、ヨーロッパは昼間のように明るい。
得にベルギーの日差しは強くて僕の体内時計を狂わせてくる。
夜の太陽に照らされながらバスに乗って友人が待つ首都ブリュッセルへ向かった。
ジュリアンと再開してからすぐにブリュッセルでも有名な飲屋街へと向かう途中、ブリュッセルのメイン広場のような場所を通ると、そこには7色に輝く建物があり、美しい景色にしばらく見とれていた。
そのまま路地裏のオシャレなレストランが並ぶ通りを進み
たどり着いたのがレトロな雰囲気で作られたカッコイイBARだった。
この店は結構有名なようで連日沢山の環境客で溢れ帰っている。
ビールと言えばドイツと言うイメージがあるが、ベルギーにも負けてはいない。
数千種類のビールが飲めるこの場所は世界各国から人が集まるのだから。
これは基本的なビールのメニュー紙。
他にもタウンページのような分厚いビールのメニューがあり、そこから一つを選んでそのままジュリアンの友人と合流して一緒に飲む事になった。
ベルギーのビールはアルコール度数が強い。
3杯飲んだあたりからかなり酔っぱらってきてしまった。
それにしても店内はオシャレな空間になっている。
僕も将来自分の個展会場を建てる時は、このような木の作りにしようと考えているので
現在で唯一叶えれていない夢を現実にする時には、このBARの作りを参考にさせてもらおう。
今日は朝からトラブルもあったが、久しぶりにこうして友人と違う国で再開して、お酒を一緒に飲む事が自由にできる僕の人生は本当に恵まれていると感じる事ができた。
そのまま皆で電車に乗って帰宅。
今日からジュリアンの家に1週間ほど泊まらせてもらう事になった。
やはり旅は楽しい。
今もしも、あなたが旅をする計画を実行に移す事ができずに迷っているのなら、これだけは言っておこう。
旅をして後悔する事はない。
旅をせずに後悔する方が遥かに確立が高いのだ。