昨夜はよく眠れた。
イタリア人の友人カミッラと夕食をとり、ホテルに戻ってからの記憶がない。
体が疲れていたのだろう。
この時の僕の年齢27歳。
そろそろ体がおじさんに近づいていく時期だった。
しかし新しい土地に来た事で僕は興奮していた。
まるで小学生が遠足に行く前のように心が弾んでいた。
僕はこの時
「一生夏休み生活」
これができる人間になりたいと強く心に思った。
そんな明るい気分で街に探検する事にした。
が・・・
この後2人の男によってその気分が崩壊する事になろうとは、この時は知るよしもなかった・・・
黒人の2人組が・・・
ここはイタリアのミラノ。
今日はどんな出来事が巻き起こるのか?
そんな楽しみを抱きながら外へ飛び出したのだった。
ミラノの中心街まで電車で向かう。
なんと言っても今回の目的はイタリアの芸術鑑賞。
イタリアの絵画や芸術はどのようなものなのか、この目で直接観察する事によって、そこからインスピレーションをもらう事ができる。
中心街について少し散歩しているだけで、あらゆるアートが飛び込んでくる。
グラフィティーと言うやつなのか?ただの落書きなのか?
しかし落書きにしてもオシャレである。
そして街には展示会や美術館の看板が数多く立っていた。
その中でも有名な美術館に行く事に。
そこには大きな広場があり、数多くの観光客が集まっている。
大学のような場所であった。
もしかすると大学なのかもしれない。
広場を歩いていると黒人男性が急になれなれしく話しかけてきた。
彼は黄色のティシャツを着ており、白い奇麗な歯が印象的な人だった。
『こんにちは!日本人?』
とニコニコと笑いながら握手をしてきた。
手を握りしめた僕の手を離さず、急にそのまま腕に何かを巻き始めた。
『何してんの?何それ?』
と言うとその黄色の黒人は
『これはアフリカでおまじないをする時に使う伝統的なものだよ』
と言いながら巻き続けている。
『いや大丈夫、いらない』
と言いながらそれをとろうとすると
『大丈夫、タダだから』
と言うので僕もタダならいいかと思い、彼が僕の腕に無理矢理巻くのを見ていた。
巻き終わってすぐに後ろからカラフルなティシャツを来た黒人が走ってきた。
カラフルな黒人は僕に
『それつけたから彼にお金払いなさい』と冷静な口調で言ってきたので腹が立った。
詐欺だと感づいた瞬間に伝統的なもので巻いたミサンガのような何かわからない物を引きちぎった。
『あっ・・・』
のような顔をしたので、どちらが悪いのか説明した。
そして最後に
『そんなやり方では絶対にお金は払わない』とだけ言い残し、その場を後にした。
後から見ているとアジア人ばかり狙っている。
アジアに住んでいる人は脅せば誰でも買うと思っているようだ。
チップを払うのは別に構わないが、やり方が気に食わない。
その伝統的なものが、いかに価値があるのかを説明して売ってくれるのなら買っていたが(80円くらい)このような強引な方法には僕は絶対に負けない。
旅をする時は自分の意思を伝える事が大切だ。
日本人はお金を持っていると言うイメージが強すぎるため、このような事をしてくる輩も存在する。
この時から僕は何か怪しい雰囲気を感じた時は国籍をごまかすようになった。
これが学習と言うものなのだ。
このような経験を一つ一つ積んで行く事によって一番正しい道で人生を歩んでいく事ができる。
僕の人生は今、正しい方向へと進んでいる。
絵の参考になる物の宝庫
ここはその中にある美術館。
僕の探し求めているものがそこにあった。
僕は頭の中の世界をアクリル絵具で描いている。
そして今から200年後、300年後の未来へ向けたメッセージを絵の中に込めたい。
現在の人間に言っても意味がわかならない。
なので僕は死ぬまで誰にも伝えない。
未来の人間が読めればそれでいい。
そんな理由から僕は文字の勉強をしたいと考えていた。
その世界の中に自分だけが読める文字を埋め込めば未来の人間に届くと信じている。
地球と火星。
あなたの子孫はどちらに住むのだろうか・・・
芸術を常に生み出す事ができる生活
美術館や芸術を直接観察すると言う事は人の感性や考えを頭に入れると言う事。
それを自分なりに独創的な表現に変化させていく。
この生活をしていればスランプなんてものは訪れる事はない。
様々な感性を持ったアーティスト達が考えたアートの形を見ていると、クリエイティブな感覚を刺激されるようになる。
この感覚は画家にとってはとても大切なものであり、
この世にない作品を生み出す事ができる一つの方法であると言っても過言ではない。
僕は現在何にもしばられる事なく自由に生きている画家。
しかし自由は手にしたが、まだ僕にはこの先に叶える予定の夢がある。
将来このようなオシャレな美術館を建てて、数人だけ泊まる事ができる宿を南の島に建てる予定だ。
これはまだ叶っていない僕の唯一の夢と言っていいだろう。
しかし、今の生活をしていれば確実に建てる事ができる。
その時は改めてこの世界画家旅人で報告していこう。
ほとんどの美術館に設置されているお土産や本を買うオシャレなお店。
このような所でも独創的な表現を手にいれる事ができる。
美術館で売っている本の中には普通の本屋では手にいれる事ができない貴重な本も取り扱っている。
世界を旅する画家のまとめ
美術館は画家や芸術家にとって独創的な表現を出せる宝の山。
もしも、日本から出ていなければ毎日同じ生活をするだけの何の刺激もない日常を送っていただろう。
この刺激ある日々の生活を今度の人生に活かす事ができる。
絵を描き始めた時は本当に素人以下の絵しか描くしかできなかったが、普段の生活から何かを学ぼうとした結果、
僕は旅をしながら画家生活ができる術も身につけた。
ちなみに絵を描き始めた当初から、絵で生活できるまでの作品の上達過程の
を全て公開しているので興味があれば見ておいて欲しい。
旅はリスクのない最大の自分への投資である。