朝8時に目がさめて、カーテンを開くと最高の天気で数本の飛行機雲だけが青い空にのびていた。
昨日仲良くなったピーターが巨石の村、モンサントへ車で連れていってくれる事になっている。
ちょうど朝食を食べた時に彼が宿の前まで迎えにきてくれて、そしてとうとうRPGのような世界へ向かう。
モンサントはカステロ・ブランコから車で一時間半ほどで到着する。
村に近づくにつれ巨大な岩がちらほら道の端にころがっており、遠くの山の上にある民家の中にうっすらと岩が突き刺さっているのが見えてきた。
入り口に車を止めて巨石の下の隙間をくぐり抜けてモンサントの頂上を目指した。
頂上には岩でできた城が建っており、本当にRPGのような世界が広がっていた。
ピーターが買ってきてくれた昼食を食べながら巨石の村を見下ろすと、家の中に岩がめり込んでいるのが見えた。
こんなデザインの村は世界でここだけではないだろうか?
村の雰囲気はのんびりしており、どこを撮っても絵になるようなオシャレで、レトロなデザインの中に巨石という異様な光景が混ざり合った不思議な世界を味わう事ができる村。
ここが僕がどうしても来たかった山の上の巨石の村モンサントなのだ。
この村の経験でかなりのインスピレーションを得る事になり、僕の世界の絵を描く時に必要な情報がここには数多くあった。
岩を描く時に資料にもなるし不思議な世界の雰囲気を感じとる事によって、その雰囲気が絵の中に反映される事で絵の成長につながるのだと思う。
ポルトガルに来た理由はモンサントを直に感じ、絵に役立つ情報を手にいれるためだったので目的は達成された。
明日からスペインに向かう事にした。
もちろんスペインの情報は町の名前以外調べない。
情報を持たないで旅をする方が驚くような体験や情報、普通の観光客が行かないレアな場所へも行ける可能性が高くなるからだ。
なぜそうなるのかと言うと情報がない事によって人に聞く事が増え、その中で良い出会いが確実に自分をいい方向に導いてくれる事を知っているからだ。
これはオーストラリアを一年旅した時に気づいた。
人と話す事によっていつもその地の人が助けてくれた。
そして実際にこれからの世界をまわる旅でも数多くの親切な人と出会う事になる。
世界には驚く程親切な人が大勢いる。