ポルトガルにある岩の村、モンサントをご存知だろうか?
岩を利用した村で家の中に大きな巨石がくいこんだり、巨石の間を利用したレストランなどが立ち並ぶ山の上にある村の事だ。
そんなRPGのような世界観をみれる村、モンサントへ行く事にした僕は朝5時に起き、リスボンを出ることにしたが、この時僕は大きなミスをおかしている事に全く気づかなかった。
モンサントへ行く旅人は、同じ失敗を繰り返さないためにも是非この記事を読んでおいて欲しい。
ネットで調べるとバターリャという町がモンサントから一番近く、物価も安いようなのでリスボンをバスで出発してから1時間ほどでバターリャに到着した。
かなり田舎町で英語を話せる人がいない。
ポルトガル語が話せない僕は、とにかく安そうな宿に飛び込んでリスボンで調べた片言のポルトガル語で宿のおばさんに今日泊まれるか聞くと部屋は全室空いていたようで、すんなり宿を確保する事ができた。
ここには大きな修道院が一つあるだけで他には特に観光するような場所はない。
町には小さな雑貨やさんがあり、ここで首からかける財布を購入した。
この店の店員さんが英語を話せたので、モンサントへの行き方を知るにはここしかないと思い店員さんに詳しい話を聞くと、この街よりアルカネーニャという町の方がモンサントへ行くには便利なようで、宿をキャンセルしてアルカネーニャに向かう事にした。
この街もかなりの田舎町で宿を探すのに苦労した。
田舎町だが一つだけ立派な高級ホテルがたっていた。
一泊4000円以上するようで当時の僕はどのくらい旅をするのか決めていなかったし、ヨーロッパで絵の仕事で収入を得る事が出来るのかわからなかった。
なので節約のためこのホテルは断念する事に。
しかし受付のお姉さんが英語を話せたので、この街で一番安い宿を教えてくれて、その宿へ向かい、荷物を置いてモンサントへ向かう事にした。
まだお昼を少し過ぎた時間だったので、モンサントへ向かうバス停の近くの夫婦で経営している小さなレストランで昼食をとる事に。
その夫婦と近所の友達が昼間から酔っ払って楽しそうに話をしている。
小さな田舎町で日本人が珍しかったのか僕に話しかけてきた。
ポルトガル語がわからない僕は、とりあえず彼らの名前を聞いて名前をカタカナに翻訳して見せると、大喜びしてお酒と食事をご馳走してくれり、ポルトガル語が話せなくて困りながら身振り手振りで伝えると、奥さんがわざわざ英語からポルトガル語に翻訳してくれる本を買ってきてプレゼントしてくれたりと、かなり親切にしてもらった。
モンサントの行き方を聞くとここから約5キロくらい歩いた所にあると言うので、かなり酔っ払っていたが自分の足でこの地をめぐりたいと思い、歩いて行く事にした。
レストランの夫婦とその友達にお礼を言いモンサントへ出発。
午後6時だったが夏のポルトガルは日が沈むのが遅い。
朝5時からの長距離移動とお酒により、かなり体力を消耗してきたのでヒッチハイクをしてモンサントへ向かう事にした。
田舎町なので車が中々通らなかったが、タイミング良く車が一台通りヒッチハイク一回目で乗せてもらう事に成功した。
車内で英語を話せるお兄さんにモンサントに向かっている、と言うと彼は不思議そうな顔をしている。
「モンサントへはどのくらいでつきますか?」と聞く彼は言った。
「モンサントはここですよ?」
・・・意味がわからなかった。
僕が向かうモンサントは山の上の岩でできた村なのだが、どう見ても山も岩の一つもない広い草原が広がっているだけの田舎町だった。
お兄さんに詳しく聞くと、
ポルトガルにはモンサントという村は3カ所あるらしく、僕はここで大きなミスをした事に気がつく。
すぐに車を降りて歩いてさっきの町へ引き返し、高級ホテルの英語を話せる受付のお姉さんに岩でできた村のモンサントへの場所を聞くと地図と行き方を説明してくれて、明日の朝その近くの町へ行く事になる。
昼間のレストランにディナーを食べに行くと彼らはまだ酔っ払っていた。
今日の出来事を話すと大笑いしながら奥さんが明日の朝駅まで送ってくれると言う。
長距離移動とモンサント違いのダメージでかなり疲れていたが、そのミスのおかげでこんなに親切でいい人達とも出会えたので、これはこれでいい旅の出だしだと思う。
旅の醍醐味はこのような人達と出会えると言う事なのだ。
明日は本物のモンサントの近くの町へ行く。