絵具道具、キャンパス、水彩紙、あと大きなバックバック。
これが僕の全ての持ち物だ。
僕は世界を旅する画家。
オランダのアムステルダムに長く滞在していたが、もうそろそろ次の旅に出発しようかと考えていた。
アムステルダムの外れにあるラッキーレイクに3週間滞在しており、同じ部屋に一緒に泊まっていたジェイクとチェナーとすっかり仲良くなっていた。
一人旅をしていてもこのような出会いがあるので全く孤独とは無縁の旅が続いている。
外国人と一瞬で仲良くなる方法については、上の記事で詳しく書いているので読んでおいて欲しい。
せっかく仲良くなったのだが別れは必ず訪れるもの。
寂しさはあるが世界を旅しながら画家として活動していればいつかまた会えるだろう。
今日で最後のアムステルダムを満喫しようと僕は街にでた。
アムステルダムでは路上でパフォーマンスをしてお金を稼いでいる人が大勢いる。
音楽、スプレーアート、ピエロ、大道芸・・・
それぞれジャンルは違うが皆堂々とパフォーマンスをしてお客さんから収入を得ている。
そして僕はアムステルダムでは基本的にライブペイントをして収入を得ていた。
音楽を流しながら路上で絵を描いているだけでお客さんは興味を持ち僕に話しかけてくるからだ。
すっかり海外で絵を描いてお金を稼ぐ方法も見についてしまったったが、この日はアムステルダム最後の夜だったので街の散歩を楽しむ事にした。
アムステルダムでは夜になるにつれパフォーマーの数がどんどん増えていった。
その中でも一番おもしろかったのが、レストランの前でパフォーマンスをしている一人の男。
彼は両手を広げながらレストランの前で何やら叫んでいた。
そして何故かレストランの壁からのびているホースからたまに水が噴射する。
男はそのホースの前に立ちながら「オーゴッド!!」っと叫びながら顔面に水の噴射を受けていた。
地面に這い蹲り「オーゴッド!!」っと叫んでいる。
観光客も何だこのパフォーマンスは!?っと思ったのだろう・・・
その男のまわりに人だかりができてきた。
皆も何をしているのか意味がわからないので笑ってその男を見ていた。
すると僕の背後から「ウゥ~!!!」っというような音が聞こえて振り返ってみると、そこに5人の警察が駆け込んできて、その男を取り押さえた。
彼はパフォーマーではなく、レストランのオーナーともめてただ叫んでいたようだ。
目の前で逮捕されている人を見るのは始めてだったが、何故かおもしろかった。
警察も観光客も白い歯を見せて笑っている。
オランダは本当におもしろい人が多い国だ。
一度行けば何度でも訪れたい国である。
そんな愉快な国も明日で終わり。
次はドイツに向かう事にする。
以前オーストラリアを旅していた時にドイツ人の友人が沢山できたので、彼らを頼ってドイツの旅を充実させようと思う。
やはり一人旅は最高だ。
旅に出れば100%出会いがある。
その出会いはこの先の人生に大きな影響を与える事となる。
今回の世界の旅も今までどれだけ友人に助けられた事だろう・・・
一人で行くのが不安と言っている人はただの食わず嫌いであり、一度行ってみれば楽しくてやめられなくなる。
それに海外では様々な事を学ぶ事ができる。
例えば英語。
僕は旅の最初は本当に英語を1ミリも話す事ができなかったが、外国人と過ごす内に自然と英語を話せるようになった。
もちろん勉強もしたが、やはり実践が一番身につく事を肌で感じとれた。
今、もしも海外で活動してみたいけど怖くて勇気がでないと言うのなら国内の小旅行からでもいいので一人旅の楽しさを知る所から始めてみてはいかがだろうか?
きっとそこでも素晴らしい出会いが訪れるはずである。