動物の絵を描く事をメインにしている画家は世の中には沢山いるだろう。
僕の絵は「世界」と「アート」の2種類のスタイルがあり、世界の方は動物を描き、200年後、300年後の人間に向けたとあるメッセージを込めて描くようにしている。
動物の絵を描く時に必要な事とは動物を良く観察すると言う事である。
どんなに有名な画家や漫画家でも資料なしに絵を描いている人は少ない。
リアルに描くにしろ、独創的に描くにしろ、絵を描く時に観察を怠る人ほどメーセージ性の少ない絵を描いてしまい、絵の中の表現力が乏しくなってしまうのだ。
そのような事を防ぐために僕は海外を旅して、その地に動物園があれば必ず入園する事にしている。
今日はシドニーにある動物園と水族館に行き、これから描く絵の参考資料になるものを直接この目で確認する事にした。
今回は動物園をどのような視点で観察すれば絵の上達に繋がるのかを伝えていこう。
画力UPのために動物をどう観察するのか?
オーストラリアの動物園や水族館は、日本では見る事ができない動物を数多く観察する事ができる。
普通の人なら動物をただ見て楽しむだけである。
しかし動物の絵を描いている人からすれば、ここには画力アップの秘策になるものが多数存在するのだ。
例えばコアラを見る時、あなたはどのように観察するだろうか?
僕は毛の質感、お腹がどうなっているのか?
爪はどのような形になっているのか?
目を開けるとどのように顔の筋肉が変化するのか?
動物園では写真では見る事ができない動物の裏側まで観察する事ができる。
僕は基本的に動物を描く時は写真と同じ角度で描くような事はしない。
あらゆる角度から見た動物を頭、腕、胴体、足、を一度頭の中でバラバラにし、そしてそれぞれのパーツを少しづつ動かしていき、自分の世界観にあったポーズや角度に調整して描くようにしている。
難しそうに思うだろうが、実際にやっていけば頭の中でリアルに動かす事ができるようになる。
これはオーストラリアに生息する動物ウォンバット。
動物によって毛の流れも鼻の大きさも違い、足の長さや耳の大きさもそれぞれバラバラである。
人間の脳は見たものを記憶はしているようだが、それを頭の中の引き出しから取り出す事ができない。
なので自分の目で直接みて
どこを描くのか?
などを意識しながら写真に収めると、絵を描く時に鮮明に思い出す事ができる。
ウォンバットも同様に頭の中でパーツごとに動かしてみて、一番良い角度にしてから描きだすと、その絵の世界観とあった作品を描く事ができる。
僕は基本的に写真を見てそれをそのまま描写するような事はしない。
そうすれば少し画力がある人なら描けてしまい、結果的にこの世に一つしかない絵とは言えないような気がするからだ。
僕は僕だけしか描けない絵を描きたいので、このような手法で絵を描くようにしている。
爬虫類はどう見るのか?
爬虫類はほ乳類などの動物とは違って毛がない。
これは筆を変えるか、描き方を変えるようにしている。
カエルの場合は滑らかな質感、少し水分が見える質感などを考えて描かなければならないが、べた塗りで描けるのでそれほど難しくない。
問題は蛇のような鱗を持つ動物だ。
この細かい鱗の流れや、凹凸を表現するのは正直言って僕でも難しい。
人それぞれ描き方が違うようだが、おもしろい蛇の描き方の動画を紹介しよう。
この描き方なら練習すればできそうだが、僕はアクリル絵具を使うというプライドのようなものがあるので炭では描かない。
現在もアクリル絵具を使った最適な僕だけの蛇の描き方を模索中である。
水族館で画力UPに繋げる!
水族館は動物園とは違った見方ができる。
どこを見るのか?
それは魚を観察する事はもちろんの事、色鮮やかな水槽から連想される世界も描く事ができるので、僕は水族館の方が良い刺激になり、画力UPにも繋がると考えている。
そして海洋生物はデザインが特徴的でオシャレな生き物が多い。
リアルに描かなくてもこのようにデザインの一つとして考える事もできる。
ちなみにこれは旅中に暇だったので電車のチケットの裏に描いた下書きである。
そしてイソギンチャクも海の中を描く時に役に立つ資料となる。
奇麗な海の絵を描いている人なら絶対にここは見ておいた方が良い。
僕はスキューバーライセンスを取って直接生みの中に潜り、海の中の世界をこの目に焼き付ける事までして海の中の世界を描く事にした。
僕の絵はリアルと言うより、僕だけのタッチで描き上げる事を意識しているので、この写真と同じように写実的に描くような事はしなが、それでもかなり参考になるのでお勧め。
僕の作品の一部は下の記事から見る事ができる。
動物以外も絵の参考資料となる
海外の動物園や水族館の館内にはオシャレで活動意欲を燃やしてくれるデザインを施している所が多い。
動物だけではなくこの館内も観察する事で絵を描く時の世界観にも役に立てている。
シドニーの水族館にはレゴで作られた作品が展示されていた。
やはり海外を旅していると楽しい。
様々な刺激があり、活動意欲も高めてくれるからだ。
絵を描く悩みがあるのなら刺激を求めて一度海外へ旅をしに出てみてはどうだろうか?
今の絵の悩みが吹き飛ぶほどの出会いも確実に訪れるし、何より画力向上にも繋がる。
それでは僕は絵を描くので今日はこのへんで。