前回のオーストラリアの記事で話したトラブルから一夜が明けた。
真夜中・・・
寒い夜・・・
裸で大草原の真ん中で1人ぽつんと立っていた僕・・・
そんな状況に陥ってしまったが、旅にトラブルはつきもの。
今回は僕のミスでこのトラブルが発生してしまった。
トラブルの詳細はこちらの
っと言う記事で書いているので、まだ見てないと言う人は読んでおいて欲しい。
こんな最悪の状況だったにも関わらず僕は、無事に今も旅を続けている。
旅をしていると、トラブルが起きる度にまわりの友人や旅の中で出会った人が必ず助けてくれる。
不思議なほどに良いタイミングで救世主が現れるのだ。
これは旅をしている人のあるあるで、困った時にこそそのような出会いは必然的に起きる。
まず1つ目の必然的に起きた出会いは、ブラジル人でサウンドクリエイターをしているリーフに出会った事。
彼がいなければ僕は広い草原で凍えるような寒さの中、裸で一夜を過ごさなければならなかったであろう。
リーフのシェアハウスで一夜を明かした僕はTシャツを借りて町にでた。
車を開けてもらうために整備士の所に行かなければならなかったからだ。
鍵を開けてもらうだけであるが、それだけでも恐らく50ドルくらいは飛んでいってしまう・・・
なんてもったいないミスをしたのか・・・
そんな事を思いながら歩いていると救世主と出会う事になる。
偶然ではなく必然の出会い
以前ライブペイントをしている時に
ボスと言う犬と一緒に旅をしているブランキーと言う青年と出会った。
彼はキャンピングカーでオーストラリアの旅を何年も続けており、僕の絵を気にいってくれたので一枚購入して車内に飾ってくれている。
整備士の所に歩いている途中そのブランキーと偶然出会ったので話しをしていた。
僕の落ち込んだ顔を見て「どうしたの?」と訪ねてきたので、昨夜の事件の詳細を話すと彼はこう言った。
「俺、整備士だから開けてやるよ!」
耳を疑った。
こんな偶然あるのだろうか?
彼はキャンピングカーからハンガーを1つ持ち出し、「さあ行こう!」と言う・・・
ハンガー1つで鍵が空くのか?
そんな事を思ったがブランキーの自信満々の顔をみている限り、嘘をついているとは思えなかった。
彼を信じて僕の車がおいてある草原へと向う。
車は寂しそうにポツンと広い草原のど真ん中で僕の帰りを待っているようだった。
窓の隙間からハンガーをねじ込んだかと思えば
ガチャン、ゴゴ・・・
ガチャ・・・・
ガチャリ・・・
開いたー!!!!!
1分もかからず開けてしまった!
こんなに簡単に開けられては僕の昨日の苦労がバカみたいに思えてくる・・・
その後車に乗り込み、ブランキーと一緒にリーフの家でのんびりさせてもらう事にした。
安心した僕はアボカドトーストを食べながら今日はのんびり過ごす事にした。
オーストラリアのアボカドは安くて大きくて美味しいのでそのまま食べても味がする。
アボカドトーストは僕の定番の朝食になっていた。
ゴキブリパニック
無事に車の鍵を開ける事ができたので安心してはいたが、実は僕にはもう1つ、かなり気になる事があった。
昨晩、車の中を徘徊していたゴキブリ・・・
車の中に入れないのをいい事に、僕が見ている前でゆっくり車の中を歩き回っていた。
車の中に放置していた食べかけのスナック菓子やゴミ袋を全て捨ててもまだ気味が悪いので
ひとまず車内全体を掃除機で掃除し、綺麗な状態にした。
掃除中もゴキブリは見当たない。
どうやら昨晩の内に満足したのか、僕の車から出ていったようだ。
安心した僕は、そのままバイロンベイから数分走った所にある丘の上に車を停めて
読書を楽しみながら一日のんびり過ごす事にした。
丘の下には海が広がっており、サーファーがサーフィンを楽しんでいるのが見える。
天気も良い。
風も気持ち良い。
気がつけば夕方までこの丘で寝てしまっていた。
目の前には海の向こうに夕日が沈んでいる。
それが一日の終わりを告げる合図になる。
僕は車に乗り込みバイロンベイの町に帰る事にした。
山道を走っている途中ラジオから流れる曲と、海に夕日が沈む絶景を横目に今日の晩ご飯は何を食べるのかを考えていた。
「今何時だ?」
そんな事を思ったのでケアンズで買った自慢の腕時計で時刻を確認した。
時間は夕方の5時半・・・・
・・・・・
「うぎゃーーーーーーーー!!!!!」
腕時計の横にゴキブリが止まっていた。
パニック!
手足をばたつかせるとゴキブリはフロントガラスの前に吹き飛ぶ。
気持ちが悪い。
オーストラリアのゴキブリは動きが遅い。
窓を全開にしてタオルを拳に巻き付け
ゴキブリに左フックを叩き込むと窓の外へと吹っ飛んでいった。
掃除をした時はいなかったのに、どこに潜んでいたのか?
この車でいつも寝ていたので気持ちが悪くて仕方がなかった。
帰りにオーストラリアのバルサン的な殺虫剤を購入し、車の中に殺虫剤の煙で一杯にする事に。
気持ちが悪いのと殺虫剤の煙で僕も死にそうになったので、その日はまたリーフのシェアハウスで眠らせてもらう事になる。
これは僕の旅の中の事件でも、もっとも最悪な事件の1つになった。
画家として生活する方法を知らない常識人
ゴキブリ事件で最悪な気分ではあったが、天気が良く心地よい風が吹くこの丘は最高の場所だった。
その丘の上には一軒の大きな屋敷が立っている。
恐らくオーストラリアのお金持ちが持つ家である。
僕もいつかこのような海の見える丘の上にホテルと個展会場を建てて、のんびり自由気ままに生活したいと思った。
現在はその夢の一歩手前まできている。
この当時はライブペイントと絵の依頼だけでしか収入を発生させる方法を知らなかったので、日本に住むなのなら、
絵で収入を得るための何か他の方法を発見する必要があった。
僕はその方法をすでに発見してしまったので、夢の一歩手前と言えるのだ。
まだまだ億単位を稼げるような絵描きにはなれていないが、それでも生活するには十分すぎるほどの収入がある。
それに僕は億万長者になりたいのではなく、自分の好きな事だけをして生きたい。
ただそれだけなのだ。
絵を描いて生きるとはかなり幸せな生活ができていると自分でも思う。
世の中にはその方法がわからずに路頭に迷う若者が後を絶たない。
僕は思った事をすぐに行動に移すタイプだったのでその結果、今の生活を手にいれたのだ。
行動しなければ何も始まらない。
常識に捕われていては何も得る事ができない。
早くこの事に気付かなければ絵を描く人生なんてものは手に入らない。
絵を描いて生きるなんて無理だとバカにされる事もあったが、それはその人の常識内での話。
知識と情報を頭にいれながら行動すれば、確実に絵を描いて生活する方法はあるのだ。
それを現在の僕が証明している。