絵の上達には練習と継続して描く事が大切だが、中々うまくいかないという悩みをSNSのメッセージで僕の所に相談にくる人が大勢いる。
「何の為に絵を描いているのかわからない」
「違うジャンルの絵に目移りしてしまって自分のスタイルが定まらない」
「プロの絵を真似しすぎて個性を殺してしまう」
などなど人によって上達できない理由は様々で特定しにくい。
僕は日本ではあまり活動していない。
絵の仕事をしながら世界43ヶ国以上を旅しており、
世界各国の絵描きさんとも話をする機会が多かったが
絵の仕事をしている彼らが共通してあるものを常に持っている事に気がついた。
世界の画家が常に持っている共通するものとは?
画家にとって絵の練習にもなり、さらに上達にもつながるアイテムとはスケッチブックだ。
「なんだスケッチブックか・・・僕も(私も)持っている。」と思ったあなたに質問したい。
あなたは常日頃から時間が開いた時に新しい構想を練ったり、新しいアイデアを思いついた時にスケッチブックにメモ描きしているだろうか?
暇だからといってお絵描きをするのではなく
構想やアイデアを描き移していく作業を常にしているだろうか?
「暇だからスケッチブックに絵を描く作業」と
「暇な時間や思いついた瞬間のひらめきを利用してスケッチブックに描き移していく作業」とでは全く上達レベルが変わってくる。
僕の場合は3種類のスケッチブックを持っている。
瞬間的に閃いたアイデアをすぐ描き移せる用のスケッチブック
僕は常日頃からポケットかカバンの中に小さなスケッチブックを持ち歩いている。
その瞬間、頭に浮かんだ事は時間が経つと薄れていってしまうものなので、どんな状況でも常にラフスケッチを描けるようにしている。
この作業が後々大きなキャンパスに描く時のネタにもなるため、かなり重宝している。
どんな構想にするか考える時用のスケッチブック
僕には2種類の絵のスタイルがある。
一つはアートでもう一つは僕の頭の中の世界を描いている。
これはラフスケッチではなく、次に描く絵の構想を練るためのスケッチブックでもあり、アートの方の絵を描くスケッチブックでもある。
ラフスケッチの絵を細かく調整しながらこのスケッチブックに書き写し、最後は大きなキャンパスに絵の具で下書きなしで描き移すという流れで僕の絵は完成する。
ZiNの世界を描く個展用のスケッチブック
これは僕の宝物でもあるのだが、ここには僕の頭の中の世界を鉛筆で描き移すようにしている。
そして、これも最後は大きなキャンパスに描き移す作業をする。
ちなみに、このスケッチブックに描いた世界。
そして、この作品の一番右側の世界がスケッチブックから描き移した世界となっている。
スケッチブックの重要性
考えながら日頃から絵を描く作業を習慣づけておくとアイデアには困らないのはもちろんの事、おおまかな絵全体の形というものが見えてくるものだ。
バランスよく描けるようになる
これはデッサンを描く効果と似ていて全体のバランス、陰影の付け方、光の表現、描くものの質感などの上達に非常に役にたつ事がわかっている。
モチベーションは絵の上達に必須
絵が上達しない人の特徴として、同じような絵を描き続ければモチベーションが下がってしまうため、絵を描く事自体が楽しくなくなってしまう。
そうなってしまうと絵の上達とはほど遠い場所、つまりスランプのようなものにおちいってしまうのだ。
精神状態は絵に現れやすい事は僕が経験済みなのでよく理解できる。
あなたも絵の練習をするなら、まずスケッチブックを持ち歩き、なおかつ、お絵描きではなく考えて絵の構造や形に力を注いでみてはどうだろうか?