この絵を描いた頃はまだ専門学生
でもうすぐ卒業なのに就職先もきまらず、
これからどう生きていけばいいのか
途方に暮れていた23歳の時に描いた作品だ。
画家にとって大事なのは
「個性」「自分だけの手法」だ。
これまで様々な手法を試したり、
筆を変えたりしてきたが、
自分だけにしか描く事のできない
手法を発見できた最初の絵でもある。
僕の描くべきものは
物心がつく頃から僕の頭の中にある。
それをどすればさらに鮮明に
描き移す事ができるのか様々な方法を
探していた。
たまに深い眠りにつくと
自分の頭の中の世界を飛び回る
夢を見る事が何度もあった。
その世界と当時なぜかウミガメを
描く事が好きだったのでその二つを
つなぎ合わせた結果この絵が生まれた。
まだまだ影のつけ方も遠近感も
スキルがたりないがタッチだけは今も
この手法で描き続けている。
タッチの描き方さえ発見できれば
後はひたすら練習あるのみ。
練習しないとスキルは自分のものにならない。
何度も何度も同じ手法で描く事によって
自分だけの個性がでてくるようになった。
最初の頃の絵と比べてみても
同一人物が描いたのかわからない。
スキルアップした今では
さらにリアルに描ける自信がある。
この頃から海外へ修行の旅へ
行く計画を漠然と立てていたが、
この頃はお金がなかったので
まず絵の就職をしてお金を貯めてから
旅にでようと思っていた。
しかし、そんなにうまくはいかない。
絵の職はそんなにないのだ。
この後、専門学校にいたライバル達も
絵の仕事につく夢を諦めていく事
になるが僕は諦める事ができなかった。