僕の絵を見る人の多くが
「3Dに見える」
「立体になって飛び出している」と言ってくれたり
ありがたい事に、この描き方を教えて欲しいと言う絵にたいして勉強熱心な人達からの質問を頂く事もあるので、そんな人達のためにこの作品を例にして簡単に制作過程を見せていこうと思う。
僕は絵を描き始めてから様々な手法を試したりブラシを変えてきたが、絵の具だけは一度も変える事なくアクリル絵の具を使用している。
アクリル絵の具に慣れてしまったという事もあるが、この絵の具は光によって色の見え方が変わるので面白いと思ったのもその理由の一つだ。
クライアントさんの環境に合わせたデザイン
この作品は、とある建設会社の社長さんから頂いた依頼で僕が認めた世界に5人いるクライアントさんの一人であり、依頼される時は僕にお任せというスタンスで頂いたが、会社に飾る絵という事だったので会社のイメージに合わせて描きあげる事にした。
光と影が絵を立体にする秘訣!
絵を立体的に描きたいのなら光と影のバランスを考える必要がある。
僕は基本的に絵を描く時は背景から描いていき、最後にメインとなる物を描き上げるようにしている。
この絵の場合だと壁、影、奥の木、前にでる木、の順に描いて行く事になるが、ここで絵を立体に描こうとするのに最も重要なのが影を描く作業だ。
影の位置がずれてしまうと不自然なバランスになり、違和感のある作品ができあがってしまう。
位置を考えながらぼかし用のブラシか指で影を描いていき、その後にメインとなる木を描くようにする。
すると少しづつ浮き上がったような絵になってくる。
光を与えるとさらに立体に
完成したのがこの作品なのだが、まだアートとしての役目は終わらない。
最初に言ったとおり、このアクリル絵の具は光によって作品の色、見え方、雰囲気が変わる。
僕の場合は向かって左上から光をあてたように影を計算しながら描き上げていったので、実際この絵に光をあててみる事により、さらに影と光が強調され浮き上がったように表現する事ができるのが僕の絵の強みでもあり、おもしろい所なのだ。
ちなみにB2(515×728)サイズと、小さめのサイズで普段描いているサイズの二分の一の大きさの作品に仕上げた。
まとめ
以上が立体に絵を描くコツのようなものだ。
描き方や表現の仕方は人それぞれ違うので無理にこの絵の真似をする必要はない。
実際、影や光の描き方なんてものは自分に合った描き方で描くのが一番いい方法なのだ。
なので、この絵の立体にする描き方はあくまでも参考程度として見てもらい、あとはそこにあなたの個性をプラスする事によって、あなたしか描けない作品が生み出されるようになる。
僕はそんな独創性あふれるアーティストが誕生し、この日本で活躍する事を心から願っている。