絵を最近始めた人やまったくの初心者の人から何通か同じような内容の質問がきたので紹介しよう。
「絵がうまくなりたいのですが何から始めればいいですか?」
始める事はとにかく描く事以外にないのだが、ここで注意してほしい事がある。
絵の初心者の人にやってしまいがちな間違いというものがあり、この間違いをやりすぎてしまうと絵の上達は一定の所で止まってしまうだろう。
絵が趣味で上手くなりたい人も将来画家になって生きていこうと考えている人も、この間違いをしてしまう事によって絵の上達スピードが落ちてしまい、結局「辞める、諦める」を選択しまう可能性がある。
今回はそんな危険な間違いをまとめてみたので紹介していこうと思う。
尊敬する人の絵を真似しすぎる
僕が絵の勉強を始めた時はまさにこの方法をとっていた。
線の描き方や色ののせ方もわからない素人以下の絵しか描けなかったその頃の僕にとっては、この方法しかなかった。
趣味で描いているなら真似しても何も問題もないし、絵を似せるだけの技術は上達するだろう。
しかし、これから絵で生計をたてて生きていきたいのなら尊敬する人の絵を見てそのまま描きうつす作業を続けてしまうと、あなたの独創性を成長させる事はできないし尊敬する人の絵を真似しても見る人からすると、ただのモノマネの絵になってしまい、お金を出してまで買ってくれる人はいない。
それに真似して描き続けていても尊敬する人が前にいるかぎり、その人を超える事もできないので収入に結びつける事はかなり難しい。
尊敬する人達の絵を参考にして良い部分だけをあなたの物にして、それに加えてあなたのやり方で描く方が成長もできるだろう。
絵の上達に必要なデッサン力をつけない
デッサンをする事によって絵を描く時の基礎が自然と体にしみついてくる。
描くものは靴やハサミなど身近にある物を描くだけでも、誰でも十分な基礎技術を身につける事ができる。
デッサンをする事によって陰影の付け方、線の描き方、物全体の形の取り方、物の質感など様々な技術を身につける事によって、あなたの描きたい作品にも生かされる事にもなるし、絵を学ぶ上で常識的な事になっている。
僕が専門学校に通っていた頃は100枚以上のデッサンを描き上げていき、素人以下だった僕の絵にも変化が現れ、着実にデッサン力を身につけた結果から現在の絵の実力に繋がったと考えて間違いないだろう。
頭の中だけで考えて描いてしまい観察を怠る
どんなに有名な画家やイラストレータ、漫画家など絵を職業としている人達でも描く物のモデルを参考にしていない人はいない。
これは描く技術だけをつけていこうとしても観察する力がなければ一定のレベルで止まってしまい、そこから上達しないのがその理由でもある。
物を観察する事によって見え方や細かい部分が鮮明になり、
それを描く練習する事によって「観察してから描く」という事が自然とできるようになり絵の上達にも繋がっていく。
ただし最初に言った尊敬する人の絵を観察してそのまま真似する事とは違い、あくまで物の観察力をつける事だけを考えて描いていってほしい。
様々なジャンルの絵を描いてしまう
絵は描けば描くほど上手くはなっていくが、描くジャンルを一つにしぼりきれていないと時間を無駄に使ってしまう。
僕の専門学校の頃のクラスメイトを例にだしてみると、風景画を30枚描いて練習していた後に人物画に目移りしてしまい、それを30枚描き、その後に今度は抽象画に手を出していた・・・
結果、どのジャンルの絵も最初の頃の絵とあまり変わる事はなく、上手くならないと諦めてしまい絵を描く事を辞めてしまったようだ。
一つの絵のジャンルがまだ上達しきっていない状態で他のジャンルを描いてしまうと絵の上達の早さが分散されてしまい、「いくら描いても上手くならない」という考えが「諦める」という決断をさせてしまったのだろうなと僕は感じた。
何を描きたいかを最初に明白にしておかないと効率が悪く練習時間も無駄になってしまうので、絵を始める時に3種類ほどのジャンルを描いてみて、その中からあなたにあった一つにしぼってしまった方が上手くなるし、モチベーションも保たれるため僕はこの方法をオススメする。
何より上達しているという実感は大切で、描く事が楽しくなければ絵は上達する事はないと僕は思っている。
以上が絵の初心者がやってしまいがちな間違いだ。
僕は絵を楽しみながら描いて欲しいし、何より絵が上手くなって世間を驚かせるようなアーティストが誕生する事を願っている。
諦めないで正しい方法で続けていれば、何事も上達する事は揺るぎない事実でもあるので、まずは上の記事を参考にして継続して続けてみて欲しい。