毎朝同じ場所から太陽が登る。
そして海から吹く爽やかな風を感じながら目を覚ました。
ハンモックから起き上がり、海を見ながらコーヒーを飲む。
最高の毎日を過ごしながら僕は沖縄の離島でキャンプ生活を楽しんでいた。
場所は本島からフェリーに乗って約2時間で到着するケラマ諸島の中の一つの島『座間味』
僕は日本に一時帰国した時は、ここにキャンプペイントをしにいく事にしている。
僕は旅する画家。
これまで世界43ヶ国以上を旅しながら絵を描く仕事をしてきた。
そして世界中の島に滞在しながら絵を描いてきたが、ここ座間味は、その世界中の中でもトップレベルの自然と遊びが満喫できる場所である。
座間味に向う前はまるで小学生の夏休み前の様に興奮してワクワクが止まらなくなる。
そんな僕の楽しい生活の中で1つだけ最悪の出来事が起きた。
前兆はすでに・・・
ある日僕はビーチの前で釣りをしている10代の若者達と出会った。
座間味の『あかばなー』と言う宿の手伝いをしに兄弟3人で仲良く島の暮らしを楽しんでいたのだ。
彼らとビーチで話している内に妙な噂話を聞かせてきれた。
変なカナダ人がこの島に上陸していると言う噂を・・・
何やらどこかの民宿に滞在していたらしく、その晩、民宿で仲良くなった日本人男性5人と飲みにいく事になったようだが・・・
そこで何かよからぬ事をしでかしたようで、しつこ過ぎるそのカナダ人に男性5人は、かなりお怒りになり店の外に放り出したらしい。
それからカナダ人はその民宿から姿を消したと言う。
「ZINさんも気をつけてね!」
と言い残し彼らは釣りをするために、さらにビーチの奥へと去っていった。
気をつけてと言われても
この座間味は国立公園に指定されてから多くの外国人が訪れる場所。
その中からその変な人をピンポイントで探し出す事は不可能に近い。
僕はその話を頭の片隅においやって、気にする事なく南の島生活を楽しんでいた。
それから一週間後・・・
キャンプ場に10人用のテントを張っていた僕は、大きなキャンパスや荷物をテントの中に全てしまいこみ、倉庫として使っていた。
寝る場所は、海から一番風通りのよい草木でできた海への通路の前にある木にハンモックを吊るして毎晩寝ている。
風が強い分あまり虫がこないこの場所は僕の特別なエリアとなっていた。
そんな生活をしていたある日・・・
僕のテントの前に1人用のテントを組み立てている金髪の外国人の男がいた。
彼はテントのまわりにいた日本人の男性3人に話しかけ、テントを組み立てるのを手伝って欲しいとお願いしているようだった。
悲劇の始まり・・・
この日は絵は描かずに、
知識を詰め込もうとビーチの日陰で読書を楽しむ事にした。
沖縄の海から吹く風の心地よさに僕はいつの間にか寝てしまっていた。
今日は僕の人生に必要な知識も頭に詰め込む事ができたし、そろそろキャンプ場に帰る事に。
もうすでに空は赤く染まり、太陽が沈もうとしていたので帰りに島のスーパーによって今夜の晩ご飯の食材を買いにいく事にした。
ビールとカレーを持ってレジに並んでいると
僕の前に今日の朝きた外国人が並んでいる。
目が合い
「君はキャンプ場にいる人だよね?」
と話しかけてきたのでそのまま一緒に帰る事にした。
慎重は180㎝くらい、金髪、23歳で瞳はブルーに輝き奇麗な目をしている。
旅行をしに1人で座間味に遊びにきているようだ。
話しながらキャンプ場に到着すると、いつも僕の晩ご飯を作ってくれる
蘆野のおじさんが僕のハンモックの近くにブルーシートを敷いて、フレイと言うニュージーランドから日本の旅を楽しみにやって来ていた女性と、お酒と晩ご飯を食べながら話をしていた。
フレイとは僕も仲良くなっており、絵を描いている時に話しかけてきてくれて、それから数週間キャンプ場で一緒に生活している。
蘆野さんが「ZIN君も一緒に飲もうよ」と誘ってくれたので
晩ご飯をごちそうになり、泡盛を飲みながらその4人で飲む事になった。
仕事はマッサージをしている
4人で飲みながら話をしていると酔いがまわってきてしまい、いつの間にか月明かりが僕達を照らしていた。
座間味の夜は楽しい。
日本にいながらも外国人と交流ができ、その国の人の考え方や今まで知らなかった事を知る事ができ、知識を蓄える事ができるからだ。
仕事は何をしているのか?と言う話になり、フレイは英語教師、芦野さんはビジネス創業等支援専門家をしている。
そして新人の金髪君に何をしているのか訪ねるとマッサージ師をしていると言う。
「マッサージしてあげようか?」
と訪ねてきたが、何やら話す時に肩を組んで耳元で話してくるので距離が近く、何か違和感のようなものがあったので断った。
しかし・・・
「お金とらないよ?俺のマッサージは 1時間で5千円とってるけどね」
っとかなりしつこくお勧めしてくるのでマッサージをしてもらう事に。
確かにかなり上手い。
筋肉のこりが癒えていくのがわかる。
しかし、たまに耳元でささやくような声で話しかけてくるので嫌な気がしていた。
トイレでゲイと対決
急にトイレに行きたくなったのでトイレに行くと言い立ち上がろうとすると
「大丈夫大丈夫心配ない」
と耳元でささやいてきたので
「大丈夫ではない」
と言いながら起き上がりトイレに向った。
すると彼もトイレに行くと言い出し、一緒に並んで用を足す事に。
「ほら!俺の!」
と笑いながら自分の物を見せてくる。
なんだこいつは?と思いながらも僕も用を足している途中だったので
「うんうんわかったわかった」と言いながら全てできるまで待っていた。
すると・・・
彼が何も言わずに、しかも用を足している最中なのにも関わらず僕の物を触ってきた。
まだ出ている途中なので逃げる事はできない。
この瞬間僕は思い出してしまった・・・
「変なカナダ人がいるから気をつけて」
と言われた3人兄弟の話を・・・
念のため僕は訪ねた。
「どこから来たの?」
彼は言った。
「カナダだけど?」
・・・・・
「こいつかーーーーーー!!!!」
気付くのが遅すぎた!
すでに触られてしまった!
怒りと気持ち悪さがこみ上げてきてしまい、
「触るな!ゲイが!!」
と日本語で叫びながら全てを出し切った僕は
振り返り様にカナダ人を勢い良く突き飛ばすと、後ろの壁にぶつかったゲイが跳ね返ってきた。
僕は手を一瞬で洗い、一目散に蘆野さんとフレイがいる場所まで戻り、あいつは最悪のゲイだ!と騒いでいると何食わぬ顔でカナダ産のゲイがもどってきた。
僕は男が男を好きな気持ちを否定はしないし悪い事でもないと思う。
その人が好きならそれでいいと考えている。
しかし、そんな気がない人にしつこく迫ってくるゲイは許さない。
気持ち悪いし不愉快以外の何者でもない。
彼はゴメンゴメン冗談冗談と笑いながらお酒を飲み始めた。
蘆野さんもフレイも僕がマッサージをされている時から何か変な奴だと感じていたようで、半笑いでゲイの話を聞いている。
気持ち悪さと怒りが収まらない僕は顔に出てしまい、ゲイが再び肩を組んできて耳元で「冗談だよ冗談」と1時間以上ささやいてきたので、もういい加減我慢できなくなり、彼の腕を降りはらいながら僕は叫んだ。
「お前ゲイだろ!」
すると彼もヒートアップしだし、彼も叫ぶようにいい返してきた。
「なぜあれだけマッサージをしたのに怒ってるんだ!?それなら金払え!」
・・・・・・
何を言っているんだこのゲイは?
もう相手にするのも面倒になってきていた時に、蘆野さんが気を利をせて、今日はもう終わりにしよう!と言ってくれた。
そしてブルーシートを折りたたみながら蘆野さんは僕に小声で
「あれはゲイだな」と笑いをこらえながら言ってきた。
フレイも半笑いで後片付けをしていた。
ゲイは膝をつきながら腕を横に大きく広げて
「I,m not Gay」と訴えるように言い続けている。
僕は彼との対決に疲れたので、すぐに寝ようとしたがここで問題が発生する。
ゲイがうろつく深夜の時間帯
僕の寝床は外に吊るしているハンモック。
そのハンモックの場所は今まで飲んでいた場所からすぐ目の前。
このままハンモックで寝ても場所はバレているので、しつこいゲイがまたやってくるに決まっている。
しかし、そのままテントに戻ったとしてもテントの場所がバレてしまうので帰るに帰れなかった。
夜中にジーーーーっとファスナーを開けられる事を想像すると気持ちが悪い。
なので僕はテントとは真逆の方向にあるビーチへと繋がる草木の道を通り、そのままビーチ沿いを歩いてキャンプ場の一番端っこでゲイが寝静まるのを待機していた。
キャンプ場の隅っこはいつもビールや晩ご飯、お弁当を作ってくれるホームレスのような出で立ちのジロウさんが住んでいるテントがある。
ジロウさんは既に爆睡していたので、テント横のハンモックに寝転びながらゲイが寝静まるのを暗闇の中で待っていたが、深夜2時になってもなぜかゲイは眠らず、キャンプ場を徘徊していた。
もしかすると僕を探しているのかもしれない。
最悪の気分だったが疲れていたので、そのままジロウさんのハンモックで寝てしまっていた。
気がつけば太陽が登っており、ゲイのテントは無くなっていた。
良かった・・・
僕はゲイとの勝負に勝ったのだ・・・
後から知った事だが、ゲイは最初民宿に泊まり、そこで仲良くなった5人組の男と居酒屋で飲んでいる時に彼らの物をしつこく何度も触っていたようで、ゲイだと気付いた彼らに
「ルールが守れないゲイは出て行け!」と店から追い払われたようだった。
しかし・・・
この話はまだ終わらない。
その話の続き下の記事で話しているので、興味があれば読んでみて欲しい。
沖縄でゲイと再会したら違う男に手を出していた・・・
PS.
この記事を読んでいる人の中でも不愉快な思いをさせてしまった人がいるかもしれない。
しかし、しつこく何度もそのような行動にうつす
常識のないゲイは批判されても仕方が無いと僕は思う。
社会の常識としてそこは一線を引いて欲しい。