僕のメインの活動方法はライブペイント。
そしてそこで出会った人達や旅中に出会った人達からの絵の依頼で生計を建てていた。
今でこそ海外を旅しながら絵を描いて、インターネットをフル活用する事によって
どこの国に滞在しながらも画家として生活できるようになったが
オーストラリアのバイロンベイに滞在している頃はまだその方法を発見できていなかった。
なのでひたすらライブペイントで絵を描き、依頼がくるのを待っている事しかでなかった。
音楽と絵は稼ぎ方が違う
この日もいつもどおり、今日一日分の生活費を稼ぐためにライブペイントをしていると・・・
4人組の青年が楽器を持って隣で一緒にやってもいいかな?
とお願いされたので、僕は彼らの演奏をBGM変わりにして絵を描けばさらに皆立ち止まると考えた。
彼らの奏でる演奏に合わせてリズムよく、僕も隣で絵を描いていると僕の方に人が集まってきた。
通りすがる人が僕のお金入れにコインやお札を入れてくれるので、内心「この人達に悪いな・・・」と思いながらも絵を描き続けた。
2時間やって僕は3000円程度稼げたが、彼らは1円も稼ぐ事ができていなかった。
そろそろ引き上げるよと言い僕にお礼を言ってCDをくれた。
僕は1500円を彼らに渡そうとすると「いいよいいよ!それは君が稼いだお金だから!楽しめたしそれだけで十分さ!」と言い、少し話をして彼らは去っていった。
音楽でお金を稼ぐ人は大勢いるので、その分お客さんも見慣れているのか本当にずば抜けた音楽を奏でないと稼ぐのは難しい。
その点ライブペイントでお金を稼いでいる人は、バイロンベイでは僕だけだったので
物珍しさからかお金を出してくれる人が多い。
音楽で生きていくのも大変なのだ。
この時、絵を描く人生を選んで本当に良かったと心のそこから思った。
絵の依頼を頂いた
僕もライブペイントを切り上げて、海の前でのんびりビールを飲みながら読書を楽しんでいた。
すると携帯に以前ハーシャと言う
を頂いて仕事をした時に、ハーシャの住んでいるシェアハウスに同居しているリーフと言う青年から電話がかかってきた。
僕は毎日そのシェアハウスにお邪魔していたので、リーフともすでに仲良くなっていたのだ。
ちなみに上の写真はブルートゥースのワイヤレスヘッドホンの音の良さに驚くリーフ。
リーフが僕に電話をしてきた理由は絵の依頼をしたいと言う事だった。
リーフはブラジルでは有名なサウンドクリエイター。
その他にもデザインの仕事をしているが、僕の絵をかなり気にいってくれており、ブラジルに帰国した時に新しくだすCDジャケットのデザインを描いて欲しいとの事だった。
旅に出てからすでに4ヶ月以上が経過しており、旅当初の時には考えられないほど絵の依頼をいくつも頂けるようになった。
僕は旅をして画家として成長したのだ。
アートイベントを見にいく
リーフがおもしろいイベントがあるから、絶対に僕をそこに連れていきたいと言うので一緒にイベントに行く事にした。
そこにはバイロンベイに住むアーティストや世界各国から集まった作品が展示されていた。
リーフもサウンドクリエイターとして活動しているのでアーティスト仲間が大勢いたのだ。
グラフィックを活用したアートや今でこそ有名であるが、当時ではまだ珍しい
プロジェクトマッピングを駆使してダンスを踊っているアーティストもいる。
バイロンベイは小さな町であるが、さすが世界各国からアーティストが集まる町なだけあり、最先端のアートを見る事もできるのだ。
町にはギャラリーも数多くあり、そこで何度も絵を販売してくれと頼まれたが、自分で稼ぐ方が効率が良いし、生活もかかっていたので全て断ったている。
CDジャケットのデザインを考える
リーフが住むシェアハウスに一緒に戻り、晩ご飯を食べながらリーフとCDジャケットのデザイン案を考える事に。
リーフが言うには化石のようなデザインでマンダラと言う仏の悟りを表現したデザインと僕のデザインを融合させて描いて欲しいとの事・・・
このような難しい依頼を何度か頂いた事があるが、それを乗り越えて今の僕がいるので出来ないはずがないと考えそのデザインを考える事に。
マンダラは上下左右が対象のデザインが多いのでその雰囲気を壊さないようにし、しかも僕の世界観を融合させた化石のようなデザインを考えた結果、このようなものにする事にした。
まだ下書きなのでどのような色使いになるのかわからないが、このデザインをリーフは気にいってくれたようでこのまま絵具で描いて仕上げて行く事に。
少しずつ時間をかけてこのデザインを完成させたかったので完成は後日になる。
この日から毎日ライブペイントでお金を稼いだあと、海の前に車をとめてCDジャケットデザインを完成させる事にした。
リーフは天才サウンドクリエイター
リーフの仕事場を見せてもらったが、彼は様々な楽器を持っており、それらを使って様々な音楽を作り上げていた。
音楽センスがない僕からすれば、かなり凄く感じるし、実際にそれで食べていける能力があり、リーフは音は一生作り続けながら生きていくと言う。
僕と仲良くなったのもこのような考えが同じ仲間意識があったからなのかもしれない。
僕も一生絵を描き続けて生きていこうと決断して今まで生きてきたのだ。
継続して絵の活動をしながら旅をしていれば、このような出会いが向こうからやってくる。
行動をしないでただ闇雲に絵を描いているだけでは何も始まらない。
チャンスは行動し続け、成功する時のための準備をしている人の元へとやってくるのだ。
明日からリーフのCDジャケット制作と言う大きな仕事があるので、よりいっそ画家として成長できると確信できた日でもあった。
しかし、そろそろバイロンベイを離れないといけない。
なぜならセカンドVISA(2年滞在できるようになる)を手に入れるために農場で働かなければならないからだ。
この後、ライブペイントと絵の依頼を平行しながら農場の仕事を探す事になるのだが、考えていたよりもかなり苦労する事になる。