オーストラリアのシドニーに滞在して2日目。
はやくも2日目にして飽きてしまった。
シドニーに来た目的はピカソの展示会で絵を見て、どのような思考でピカソは絵を描いていたのかを観察する事だった。
その目的も達成してしまった僕は、もうすでにシドニーでする事がなくなってしまっていたのだ。
しかし・・・
このシドニーで文化の違いとでも言うのか、お国柄の違いとでも言うのか、本当に驚くカルチャーショックを受ける事になる。
日本では絶対にあり得ない事。
僕はその体験からオーストラリアがさらに大好きになった。
今日はそんなお話。
シドニーにもアートが溢れていた。
シドニーでもうすでにする事がなかったので、僕は町にでて写真を撮り貯める事にした。
シドニーの街のあちこちに何だかわからないアートのようなものが数多く点在している。
上の写真の爆弾のようなものも何なのか分からなかったが、カッコイイと言う理由だけでシャッターをきった。
英語で説明文が書かれていたが、当時の僕はまだ英語があまり得意ではなく、読み書きは大の苦手だったのでこれが何なのかは今になってはわからない。
しかしいい天気だ。
オーストラリアに来てからもうすでに2ヶ月がたったが、まだ2回しか雨が降っていない。
僕は昔から晴れ男である。
このオーストラリアの旅の後も世界を旅する事になるのだが、僕が行く所は本当に雨が降らない。
この日も天気予報では曇りのち雨であったのだが、僕が外に出たせいか青空が広がっていた。
公園の木に不気味なものが・・・
ひき続き写真をとりながら街の中をブラブラ散歩していた。
するとかなり大きな公園を発見する。
この時、僕が日本で買って持ってきた一眼レフの新しい機能を発見してから、白黒の写真を撮るのが楽しくて仕方がなかった。
好きな色だけ広いあげて、その他の色をすべて白黒にする機能でカッコイイアート写真を撮り、バイロンベイでライブペイントをする時に、ついでに写真のポストカードも制作して販売しようと思ったのだ。
楽しみながら写真を撮りまくっていた中の一枚。
この写真の中に奇妙なものが映っているのを発見してしまった。
やたらと大きな実がなっている・・・
風に揺られているのか少し動いているようにも見える・・・
僕は目が悪くて遠いものがハッキリ見えないので、一眼レフに望遠レンズを装着してズームにしてみた。
・・・・・・
き・・・・
気持ち悪い!!
そこには大量のコウモリがぶら下がっていた。
オーストラリアにはコウモリが沢山飛んでいるが
僕は昔、生まれ故郷である宮崎で怖い体験をしたのだが、その時にコウモリに襲われた。
それからコウモリが気持ち悪くて仕方が無い。
怖い体験はコウモリに襲われた事ではなく、霊的なものか変質者的なものなのか今になってはわからないが、とにかく恐怖の体験をしてしまった。
この怖い話はいつか機会があればこの世界画家旅人でお話していこうと思う。
シドニータワー
気持ち悪いコウモリから一目散に逃げた僕はシドニータワーの頂上の展望台にいた。
気がつけば天気予報通り曇りになっていたが、雲の隙間から神々しい光がシドニーの街を照らす。
なぜか外国に一人できたと言う実感が今になって湧いてきた。
外国の事は何もわからず、友人もいない、英語も話せない状況で一人で海外に旅にでてきた。
この2ヶ月間、1日1日が本当に濃い時間の繰り返しであった。
絵の仕事もなんだかんだで得る事もできたし、
その経験が僕に自信を与えてくれた。
何もわからないから行動しないのは、ただの言い訳である。
行動しなければわからない事も沢山ある。
オーストラリアの旅は本当に刺激的で毎日が新鮮でもあり、今までの人生では得る事のできなかった経験を、たった2ヶ月間で数多くする事となった。
そして、この後さらなるカルチャーショックを味わう事となる。
ホームレスの食事が羨ましい
シドニータワーから歩いて数分の所にある公園の端の方に何やら行列ができていた。
気になったので近づいてみると車で何かを売っている。
車でお弁当を販売しているのかな?と思った僕は、そのまま通り過ぎようとしたが、よく見ると看板に「FREE」と書いている。
フリー?無料?
かなり気になったので、とりあえず列に並んでいた男の人にこれは何ですか?と訪ねるとその人はこう言った。
「タダ飯が食べれるよ!」
タダでご飯を食べれる?
・・・・
そんな上手い話はない。
世の中の鉄則のルール。
タダより怖いものはない。
絶対、何かしらお金をとられる。
っと思いながらも僕は列に並んでいた。
なぜなら、美味しそうな甘いソースの香りがその辺りに充満していたからだ。
それから5分後・・・
世の中には上手い話もあるもんだ・・・
美味すぎる。
ボリュームのあるチキンに野菜サラダをのせ、塩こしょうで味付けしたものを無料で食べる事ができた。
こんな事があっていいのか?
普通にレストランで食べるような料理を無料で配っている。
オーストラリアではホームレスに食料を配っている場所がいくつもあるようだ。
オーストラリアで無職になると国からお金も降りてくるし、食料はその辺で無料で調達できる。
何て凄いシステムを作った国なんだ。
何もしなくても生きていける。
確かに、バイロンベにいたホームレス達は皆生き生きしていた。
日本では蔑んで見下されるホームレスも、ここオーストラリアでは普通の一般人とそれほど変わりない扱いをされている。
この後、僕はバイロンベイに戻る事になるのだが、このシステムのおかげで4ヶ月間、1円もお金を使わずに食料を調達する事になる。
オーストラリアは本当に人に優しい国である。
これでシドニーの旅も終わり。
明日はメルボルンに遊びに行く事にした。