オーストラリアにある天国バイロンベイに滞在してもうすでに2週間以上が過ぎていた。
ここは僕が泊まっている宿の中庭。
自然と一体になっているため自然動物も見る事ができる。
朝起きて中庭で木漏れ日を浴びながら朝食を食べていた。
朝食を食べながらふと思った。
「今日はバスキングをしよう」
バイロンベイでは世界各国から来た様々なアーティスト達がバスキングでお金を稼ぎにやってくる。
一応説明しておくと、バスキングとは
路上でパフォーマンスをしてチップをもらったり何か商品を買って収入を得る方法。
日本で言う路上パフォーマンスのようなものであるが、それよりさらにラフな感じのスタイル。
ほとんどのアーティストが様々な楽器を使った音楽を奏でたり、歌ったりしてお金を稼いでいた。
しかし・・・
僕には絵しか特技がない。
なので路上で絵を描いてお金を稼げるのか少し疑問でもあった。
疑問に思っていてもやってみなければわからない事もあるので僕はテストとしてどれだけ絵で稼げるのかやってみる事に。
以前ケアンズで頂いた絵の依頼で描かなければならないものがある。
それを路上で音楽を流しながら描いていき、3時間でどれだけ稼ぐ事ができるのか?
それを調べる事にした。
バイロンベイの中心街へ絵具道具とキャンパスを持って、バスキングで稼げそうな場所を探す。
とりあえず公園の前に面した歩道の木陰にキャンパスを広げて南の島の音楽をかけながら絵を描き始めた。
するとものの5分でおじさんが話かけてきた。
ここで以前お伝えした
を実践してお金を稼ぐ時がきたのだ。
絵を書いている時に質問される事は大体決まっている。
その返答をノートにぎっしり何通りも書いて丸暗記するだけ。
おじさんは案の定
「すごいね!絵描いて何してるの?」
と僕に聞いてきたので、絵を描きながら
「画家になる方法を探して世界を旅している」
と言う細かい説明をノートに文章として書きだしていたので、それをそのまま言葉で説明した。
数分間おじさんと話しているといくつかのコインを僕の帽子の中に入れてくれた。
いくら入れてくれたのかは覚えていないが、これが僕の画家になるための旅で得た初収入だった。
テストとしてやっていたのであまり準備もしていなくて、キャンパスを地面において描くだけの小汚いスタイルなのにも関わらずお金を入れてくれたのだ。
これからちゃんと準備していけばいくら稼げるのかワクワクしてきた。
それからまたしばらくすると若い夫婦が
「すごいね!素晴らしい!」
と言って僕の前にしゃがみ込んだ。
「日本人?」
と聞かれたのでイエスと返答し、そこから先ほどのノートに書いた文章の中から
「この絵はケアンズの文化遺産でもらった絵の依頼」
と言う説明を思い出し、自ら話す事にした。
あまり深く話しこんでも、この頃はまだ英語を聞き取る能力があまりついていなかったので自ら説明した方が早いと判断したのだ。
その夫婦は「頑張ってね!」と言いながら500円ていどのお金を帽子の中に入れてくれた。
約30分で1000円程度の収入が入った事に驚いた。
こんな世界があるなんて知らなかった。
日本で30分働いて1000円もらえる仕事、つまり時給2000円のバイトなんてない。
僕はこの時確信した・・・
日本で絵の活動をするより海外で活動する方がお金が溜まるしその他のスキルも身に付ける事ができる。
絵で生きる方法の片鱗を発見した瞬間でもあった。
初めての収入を得たこの日は結局3時間だけ路上で描いたのだが、それだけで3000円以上稼ぐ事ができた。
僕のやった事と言えば地面にキャンパスをおいて絵を描いていただけ。
ただそれだけでこれだけ稼げてしまうとは・・・
さらに考えてやれば収入が増えそうな予感がした。
これは日本ではありえない。
日本にはチップを渡すと言う習慣がないからだ。
この後、
僕は様々な方法を考案して、さらに収入を稼いでいく事となるが、それはまだ先の話。
そして突然だが明日からシドニーに向かおうと思う。
バイロンベイには様々なアーティストもいるしアートイベントがあったり、個展をしている会場もあるのだが、この頃シドニーでピカソの展示会があったのだ。
一度彼の作品を生で見てみたい。
人の作品を見て刺激とインスピレーションを得る事は画家にとって非常に大切な事である。
この刺激とインスピレーションがまた新たな独創性溢れる作品を生み出すきっかけとなるのだ。
なので明日の朝からシドニーに向かう事にした。
しかし、バイロンベイにはすぐに戻ってくる。
ここは楽園天国。
そう簡単にこの生活から抜け出す事はできない。
ひとまず宿に戻り、明日の出発の準備をする事に。
以前ケアンズで買ったケアンズからメルボルンまで乗り降り放題のバスチケットを購入していたのでネットでバイロンベイからシドニーまでを予約をして後は明日の朝到着するバスに乗り込むだけ。
後で追加料金も払う必要もないのでこのバスはお勧めだ。
しかしここで注意して欲しい事がある。
以前僕の不注意で最悪な状況におちいってしまったからだ。
その時の事件の記事はここに記録しているので読んでおいて欲しい。
まだ昼すぎだったがこの日は明日に備えて体を休める事にした。
宿には日本人の友人のヨシ君と知らない青年が話をしていた。
皆自由に生きているが、ちゃんと働いている。
ワーキングホリデーVISAを利用してオーストラリアを旅すると働いてお金を貯めながら旅をする事もできるのだ。
しかもオーストラリアの時給は大体1500円〜2000円以上と高額なのでお金を貯める目的でオーストラリアにくる日本人も数多くいる。
日本でバイトしながら絵を描くならここオースラリアで仕事をしながら絵の活動をした方が人生の糧になる事は間違いない。
しかし旅にでる前に不安になってしまいYahooなどの質問コーナーで質問してしまうとそこには夢を奪う嘘の情報を流す輩がうようよいる。
そんな何の知恵もない人からの情報を真に受けてしまい海外に出る事を諦める人が日本には大勢いる。
そのような人を生み出したくないのでこの世界画家旅人で海外活動をする人へ情報を提供しているのだ。
しかし海外で画家になれる方法は伝えていくが日本で画家になる方法はここでは言えない。
それはZiNARTメールマガジンを読んでくれる人にだけ伝える秘密の情報。
興味があればメールマガジンを読んでおいて欲しい。